結論
去勢の必要性に対しては懐疑的だが、避妊手術に関しては病気予防の観点からオススメと思っている。
【メリット①乳腺腫瘍の発生を抑える効果がある】
犬の乳腺腫瘍は最初の発情出血(約6ヶ月〜8ヶ月)の前までに避妊手術を実施すると乳腺腫瘍の発生率は0.5%、2回目の発情の前までだと8%と低く抑えることができる。
猫は避妊手術を実施していない猫と比較して、生後6カ月齢未満で避妊手術を実施すると乳腺癌の発生率を91%低下させ、7~12カ月齢未満では86%、13~24カ月齢では11%低下させるが、24カ月齢以降では避妊手術の効果が認められなかった。
うさぎは乳腺がお腹から背中くらいまであり、乳腺のしこりは99%くらい乳腺癌であることが多い。避妊が有効かのデータは少ないが理論上有効なのではと私は考える
【メリット②子宮に膿が溜まってしまう子宮蓄膿症が発生しない】
発情前後のホルモンの関係で子宮に膿がたまる子宮蓄膿症は高齢で発生する可能性がある病気であり、子宮の中に入った大量の菌毒素により命を奪われる疾患である。もちろん全員が発生する病気ではないが、避妊手術を実施していれば発生しないため大きなメリットといえる。
【メリット③卵巣や子宮癌の発生を0にする】
犬猫では卵巣や子宮癌の発生はまれだが、時折経験する。うさぎに関しては、『7歳』『メス』『具合悪い』と聞いた時点で子宮癌からのトラブルかな?と思うほど発生率は高い。
【弱いメリット④犬の発情出血時のストレス軽減や管理の容易さ】
発情出血を綺麗に舐め取ろうとする仕草を、本人が気にして落ち着かない。ストレス。と一般的に言われる。人の生理とはやや違うので痛みなどは伴わずどこまでストレスなのかは本人に聞いてみないとわからない。避妊手術をすると発情出血により部屋などが汚れてしまうという事はなくなるので飼い主が管理しやすいという人間的なメリットがある。
【デメリット①】
去勢と同様に全身麻酔のリスク
【デメリット②】
ホルモンバランスの影響により太りやすくなるや、本来生殖機能を維持するのに消費されていたカロリーが消費されなくなるため、同じご飯の量だと太りやすくなるなど言われています。食事療法などで対策できる範囲かなと私は考えています。
避妊手術後太る面白い理由として、手術を頑張った子を飼い主が甘やかしておやつを大量にあげるからだと書いてあるネット記事もありました。そうすると手術するたびに太っていくw
まとめると犬猫は1-2/1000(人が交通事故に遭遇するよりも少ない確率)。うさぎは1/100の全身麻酔のリスクは存在するが避妊手術で得られる病気や癌の予防効果が大きいので不妊手術はオススメできる手術と言えそうです。
実施時期は6ヶ月齢から1歳までに行う(できれば初回発情前)というのが予防の観点から理想でしょうか
うさぎは早めがいいとデータはないので1歳付近で私は実施しています。
私の場合↓
手術時間
猫 約35分
犬 約40分
うさぎ60分(毛刈りが時間かかる!)
日帰り
犬猫は術後はエリザベスウエア
うさぎは何もなし(たまーにカラー)
10日で抜糸
です!