【涙やけ】
特に白い毛の子は目立って気になりますよね。目頭から涙があふれて茶色くなっているアレです。
茶色い正体は実は汚く色がついている訳ではなく、涙の成分により毛の色が脱色されて茶色くなっています。
ですので理論上は「涙が毛に付かない」「付いている時間が短い」が達成できれば涙やけは起こらないということですね。
涙やけの原因は主に5つ
①鼻涙管→眼から鼻へつながっている道。小型犬ではこの道が「もともとない」「塞がっている」「狭い」という要因で眼から鼻へ涙の成分が行かないので眼からあふれると言われている。私は麻酔して鼻涙管の通りを安全に確認する。
②まぶたが内側向いてる→眼瞼内反。まぶたがクルッと内側向いてるので毛がチクチク刺激になって涙が多くなってしまう。画像検索で「立川中央どうぶつ病院ん」さんの画像が非常に丁寧な手術でわかりやすかったので引用させていただきました。↓
③まつ毛が目の方向に生えてる→逆さまつげと言われる。これもまつ毛が持続的な刺激になり涙が多くなる。治療選択肢は『眼に塗ってもいい軟膏で毛と眼の間にクッションを作るようなコテ先の治療でコントロールできるかチャレンジ』か『生えてはくるけどまつ毛を定期的に抜く』か『生えないようにその場所を切除する』かなー
④食べ物→小さい子や小さい時からご飯を変更したことない方は試す価値あり。みんなにオススメのご飯ってのはないけど、お試しポイントは2つ『今食べてるご飯より値段的に「すごく」じゃなくていいので「ちょっとだけ」いいご飯へ』これベテランの往診病院の先生が私が新人の頃に教えてくれて、科学的じゃないけどわかりやすいなーと思ったフレーズ。あとは『今食べてるご飯の袋の裏を見て主成分がチキンなら魚へ、魚なら肉系へ、二本足の肉なら四本足の肉へなど主成分を変更してみてください、さらに選ぶ基準をもうけるなら本人が今までの人生で食べた事ない食材の方が理想です』気にするのはまずはそれだけ。
今なんでもグレインフリーだけど。グレインフリー問題は奥深いから今後解説します。
⑤わっかんねー →色々検査はしてみたけど、私の力量不足で原因がわからない。こういう子もいますー。ごめんなさいー
【対策】
原因がわかればそれに対する治療を実施。手術は怖いかもしれないけど、もしも原因がそこにあればずっと刺激で涙が出ちゃうより本人にはメリットが大きいのかも!?メリットとデメリットを感情論を抜いて客観的に評価できる飼い主でいてください。ただ自分の家の子に麻酔ってかけれないのよね〜。わかるわ〜。笑
原因不明の場合やすぐにできる対策としては、涙やけになっている場所の涙を『頻度多く、コットンなどでぬぐう』このぬぐう頻度が多いと涙やけの色は薄くなると看護師さんが学会で報告してました。実用的な素晴らしい報告ですね。
獣医師は原因がわかるように努力します。ちなみに私の病院では私より早く看護師が見つけてくれるので、私は確認する程度ですんじゃいます。こういう変化に敏感な看護師さんすごすぎ。