猫ちゃんは「いつもと違う」これを何よりも嫌います。
ご飯も「美味しい」から好きというのも一つの基準だと思いますが、いつも置いてあるものだから「安全」なので好き。そういった感情に重きを置いている動物です。
さて、猫ちゃんを病院へ連れてくる際にはキャリーに入れる必要があると思います。(たまに生身で来る方もいますがw だめですよ。)
猫ちゃんにとってはキャリーはいつもと違うものですし、そこに入ると毎回動物病院で注射だとしたらキャリーに進んで入りたがらないのは当然だと思います。
少しでも猫ちゃんの来院のハードルを下げるためにキャリートレーニングを実施するのはいかがでしょうか。
赤ちゃんの時から習慣化するのがベストですが、どの年齢からでも遅くはないですし、少しでもストレス少なく病院へ行くことができたら嬉しいですよね。
①キャリーケースを部屋のどこかに常に置いておき、そこを猫ちゃんの安全地帯と習慣化する。好きなおやつは常にその中であげるようにするのもいいと思います。
キャリーの中へ入ったからといってすぐに持ち上げたりせずに最初のうちはドアを開けっぱなしでただのおやつをもらう場所として認識するくらいが丁度良いです。
慣れてきたら遊びが好きな子はそこの中へ遊び道具を入れたら躊躇せず中へ入っていくか試してみてもいいかもしれません。
②中に入ることが習慣化してきたら、キャリー内でおやつを食べている間に大きな音は立てずにドアを少し閉めてみましょう。閉める時間も徐々に長くすると効果的です。
③キャリーの中へ入ってドアを閉めてものんびりしたり寝るようになってきたらキャリーを持ち上げてみましょう。
本人が警戒したり、嫌がったらすぐに中止し、ストレスのないステップまで戻りましょう。ポイントは無理しないことです。
お察しの通りで時間はかかります。子猫を飼い始めたばかりの方は積極的に実施して下さい。年齢を重ねた子でも時間はかかりますがオススメです。
病院へ行った際もひと工夫すると猫に対してさらに優しいです。
①猫は見下ろされる事を嫌うため、待合室での待ち時間キャリーは床には置かずになるべく台の上に置けると理想です。
②目隠し用にブランケットを持参しキャリーの窓にかけておくのも安心できるひと工夫です。そこに猫フェロモン製剤(安心フェロモン的なイメージ)のフェリウェイスプレーなどをスプレーしておくのも猫ちゃんへのストレス配慮上級者ですね!
僕たち獣医師は猫の診察の際に
①いきなり大きく動いたり、大声で話さない。
②診察前は手を洗い他の動物の匂いを極力少なくする。
③身体検査が終わり、話がメインの時はキャリーに戻ってもらう。
④保定はなるべく力で抑えなくてもいいようにタオルなどを使用する。
⑤軽い身体検査であれば飼い主さんに保定をお願いする
など状況に合わせてですがこういった事を気をつけています。
最近は犬猫の待合室に距離を置いたり、キャットアワーといった猫のみの時間を設けるなど工夫している病院も増えています。
ちなみに余談ですがうさぎは草食動物で肉食動物の匂いがストレスとなるため僕はうさぎの診察時には診察着を着替えます。なので通常の診察着、その日のうさぎ用診察着、手術用、汚れた時用。毎日洗濯物いっぱいです。笑
究極にストレスかかる子には鎮静剤を飲んできてもらって来院
保定の時に暴れすぎて心拍数や血圧が異常に上昇する場合は力で押さえ込むより麻酔の方が安全
多くはないですがそのようなケースも存在します。
獣医師、飼い主両者の取り組みによって猫ちゃんがストレス少なく診察できる。これをみんなで目指しましょう。
サプリメントでリラックス作用のあるものも試してみても面白いかもしれません。
気になる方は以前の記事も読んでみて下さい。↓