長期治療の選択肢【鼻カテ】

治療をして翌日にはご飯を食べたり完全回復してくれれば良いのですが、慢性的な疾患の場合治療が長期になることもあります。

入院管理の場合は点滴からお薬を入れることも可能ですが、通院の場合は口からお薬を飲ませるのも大変だと思います。しかも食欲ないといつもの美味しいおやつに入れ込んでも、食べれないかもしれません。

食欲不振が長引く場合、エネルギー不足も問題になります。細胞は日々働いたり、治したり、生まれ変わるにもエネルギーが必要です。いわゆる昔から言われる 「食べて体力つけないと治るものも治らない」これはある意味正しいとも思います。

基本的には『食欲不振を起こしている原因を治療して食べれるように回復する』が最も正しい方法だと思います。

しかし中には癌や慢性腎臓病など長期に向き合っていかなければいけない病気も多数存在し、『本人が食べ始めるまで待てない、待たない方がいい』『食欲不振の中でも治療に飲み薬が必須』なケースも多数存在します。

そんな時に方法は4つ

①食べれるものを日々探す。→なかなか必要カロリー満たすまで食べるかと言うと難しい。薬も難易度高い。

②強制給仕→シリンジで流動食などを口から飲ませる方法。犬はスムーズに行くならそれでもいいけど、嫌がる子も多い。猫は禁忌!絶対嫌がるし、無理にすると回復した後もその人、その匂いのご飯を一生嫌うように。

③鼻カテ→今回オススメしたい管理方法。鼻からチューブをスーッと入れて麻酔もなし。胃の手前の食道に先端が存在するので、そのチューブから流動食や水で溶いた粉薬を入れれる。本人はやはり気にはなっちゃうので外さないようにカラーは必要。外す際も麻酔は不要で引き抜くだけ。

④咽頭チューブ、胃瘻チューブ→麻酔が必要。鼻カテの太さは鼻に入る大きさのチューブに留まるが、これらのチューブは太く、こしてお湯で溶いたごはんとかもあげれるものもある。咽頭チューブは外すのに麻酔は不要。胃瘻チューブは麻酔が必要。

【まとめ】

効率を考えると咽頭チューブや胃瘻チューブが、あげれるご飯の範囲も広いので便利だが、やはり状態がよくないからご飯食べないって場合が多いので麻酔がネック。麻酔もいらず、ご飯や投薬も可能な鼻カテがあんばいがいいのかなと思い、私は好んで使用しています。自分のうちの子にくだを入れるのは耐えられない、可愛そうという声もよく聞きますが、実施された方々は日々の管理が楽、ごはん食べ始めてから元気になってきたなど満足感は高い印象です。しかも一度設置して、嫌だったらスッと取っちゃえばいいだけなのでチャレンジするハードルも低いのかなと思います。

長期治療中で食欲不振、投薬も多くて大変。みんな疲れてきちゃったというご家族はご検討ください。家庭では設置できません!コツをおさえないと鼻血が出たり、気管ってところに入ったりしちゃいますので、もちろんどうぶつ病院で。

鼻カテで治療中の友達のわんちゃんが写真をくれました↓かわいい。がんばれー

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