高濃度ビタミンC点滴ご存知でしょうか。
人の方では美容で注目されているので知っている方もいるかもしれません。
栄養素であるビタミンCを高濃度で投与すると抗がん作用が認められます。
正しい使い方をすれば副作用も少なく、効果が得られます。
どのような効果があるかと言うと
抗がん作用・免疫力アップ・活性酸素を抑える・従来の抗がん剤との併用で抗がん剤の副作用軽減
副作用も少なく、上記のような効果があるなら使わない手はないですよね。
ただし人や実験動物、実験レベルで効く報告は存在しますが、実際の犬猫で高濃度ビタミンC単独で良好な経過という信頼できる論文は現時点存在していないと思います。
友人もある癌細胞に様々なビタミンCの条件で癌が完全にやっつけれるか研究していますが、現在のところ悩ましい様です。実験的に癌をやっつけるために必要なビタミンCの濃度だと身体自体がもたないので、実験では有効だけど実際の臨床ではビタミンC単独では使えない様です。そこは研究者の今後の課題ですね。
さて僕たちの臨床の現場では、どういう使い方をするかというと抗がん作用も期待しますが、従来の抗がん剤と組み合わせて副作用軽減を目的にしたり、放射線治療と組み合わせると相乗効果があったり、身体がサビる原因と言われている活性酸素を抑えてダルさの軽減をしたり。
従来の治療の質をあげるサポーターの役割が現在は大きいです。「抗がん剤で癌は小さくなってるけど副作用で辛い」だと何のための治療かは不明ですよね。癌治療中のQOL（生活の質）というのはすごく大事です。その達成のための大きなサポーターになりうる方法です。
高濃度ビタミンCは実施を避けた方がいい子もいます。
心不全、腎臓病、先天性G6PD欠損症（この病気があると高濃度ビタミンCで血が壊れちゃいます。ただ高濃度ビタミンC点滴の前には必ず検査するので心配せずに）がある場合は使用が制限されます。
今は名脇役ですが、今後メインの治療に加わるのか注目の治療ですね。ではまた
