【新しい選択肢】猫ヘルペスの点眼

猫ウイルス性鼻気管炎

猫風邪と言われる発熱、くしゃみ、鼻水、結膜炎などの原因ウイルスとされています。

一般的に二次感染と言ってプラスでバイ菌などが感染しなければ2週間ほどで治ってくる風邪です。

ただし厄介なのは症状が回復した後も80%の確率で「潜伏感染」することです。

猫ヘルペスの潜伏感染は知覚神経(痛っ!とか熱っ!という情報を感じる神経)から三叉神経節というところにたどり着きそこでウイルスが増殖はしないが待機することです。

猫がストレスにさらされた時に再度発症します

授乳、環境の変化(引っ越しなど)、ステロイドや免疫抑制剤の使用など、猫様がお疲れの時にウイルスは帰ってきます。再び症状が出ることを、帰ってきたドラえもん「回帰感染」と言います。

猫ヘルペスの診断は総合的に行います。

くしゃみ、鼻水、結膜炎などの風邪症状、眼の細胞を顕微鏡でみる、PCR検査、治療への反応など組み合わせて診断します。

回帰感染は軽度な症状の事も多いのですが、よくあるのが眼が腫れてシパシパしているという結膜炎。いじらなければ自然と治るのかもしれませんが腫れてたら気になるのでほっとく訳にもいきません。

ただ原因が猫ヘルペスの回帰感染だとするとウイルスに効く薬はないのが現状でした。自分の免疫で排除する。二次感染(バイ菌)を防ぐために抗生剤の点眼をする。免疫を上げるためにインターフェロンというお薬を点眼に混ぜる、乳酸菌を接種する、リジンを含んだサプリを内服する(リジンの効果は最近では疑問視する論文が多いですが副作用もないので好まれてます)といったもどかしい感じでした。

内服薬でファムシクロビルという抗ウイルス薬はあるんですが、猫は生体内利用率が悪く(あんまり吸収しない)人の20倍くらいの量を1日3回飲む。しかも僕の印象は、なんかあんま効いた感じしないし、高いw

今回、結膜炎症状に対する抗ウイルスの目薬が発売されました。メーカーから報告の有効性は70-90%

全身投与の薬ではないので副作用も過度に心配しなくて済むのも嬉しい。同じような抗ウイルス薬は海外には存在しましたが、めっちゃしみる!これはしみないらしい。これもいい点。

デメリットは1日6回点眼。さて、できるのか。

とりあえず在庫したので使ってみたらまた報告します。

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