【腎臓病早期発症に関わる?】

今回参考にした論文は「猫慢性腎臓病発症のリスク因子」です。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4864943/

【結論】

腎臓病を早期に発症する可能性がある因子は2つ

①中程度から重度の歯周病

②毎年のワクチン

数年前にこれを読んで衝撃でした。正しく理解する事、予防の必要性を再確認する事が大事だと思います。

【腎臓への負担になる理由】

①の歯周病と慢性腎臓病の関係については人、犬でも関係性が報告されています。歯肉炎による慢性的な炎症、バイ菌に対する免疫反応が歯だけに留まらず全身的に影響を及ぼすという可能性が考えられています。

また中程度、重度の歯周病の治療で使われる抗生剤や消炎鎮痛剤の使用、歯石除去のための麻酔なども腎臓へのダメージとなるかもしれません。

歯周病と腎臓病発症の関係 論文原文より引用

グラフは縦が高窒素血症(腎臓病)じゃない猫の割合

Severeは重度、Moderateは中程度なので1.0から始まった腎臓病じゃない猫の割合が横にいく(日にちが経つ)につれて軽度と歯周病なしの線よりグングン減っていくのがわかると思う。

②毎年のワクチン

猫のワクチンは簡単にいうと猫の腎臓細胞成分も少し含まれているのでワクチンを打つと変な腎臓細胞成分が体に入ってきたと認識し、腎臓を攻撃する抗体ってやつが作られてしまう。それによりどれくらいのダメージが腎臓にあるのかは不明だが今回の論文では毎年のワクチンが腎臓病のリスクになる可能性が示された。

ワクチンの頻度と腎臓病の関係 論文より引用

縦軸は高窒素血症(腎臓病)じゃない猫 早めに下がってるのは1年に1回か2年に1回ワクチングループ 上の方は初回ワクチンのみか3年以上あけてるグループ

【まとめ】

犬と猫のワクチンガイドラインでは、室内飼育、単頭飼育、ペットホテルを利用しない場合は3年に1回のワクチンが推奨されており、屋外への移動あり、多頭飼育、ペットホテルを利用する場合は1年に1回のワクチンが推奨されている。

ワクチンで守られる感染症がある事は言うまでもないので、今回の論文で「ワクチンが危険!」と過度にリアクションする事はないが、3年に1回のワクチンが推奨される条件の子はワクチンを必要以上に打つ事にデメリットが存在する可能性を知ってほしい。

また追加で更なる情報が出てくることに期待

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