膀胱結石、膀胱炎、石にも種類があり、「結局どうしたらいいの?」「ごはんは?」「何に注意すべきなの?」と結局どうすれば良いのかとギブアップ。尿に配慮した療法食とりあえず食べてます。という方もいるのではないでしょうか。
整理してみましょう。
まず、【膀胱炎】は【膀胱】に【炎】症が起きている状態のことです。
膀胱炎の原因は【細菌】【原因不明】【結石】にざっくりと分かれて、要は膀胱の中で動いたり、チクチク膀胱を傷つけたりするものですね。
それぞれ見ていきましょう。
【細菌性膀胱炎】膀胱の中に皮膚やウンチのバイ菌が侵入して発生します。どこから入るかというと尿道口です。
さて尿道はメス♀は肛門の下側にありますね。尿道も短めです。ですのでバイ菌が侵入し膀胱にたどりつきやすく、メス♀は細菌性膀胱炎がオスに比べて多いのです。
一方、オスはチンチンがあり、チンチンの分、尿道は長いですし、場所も肛門からは遠くなっています。ですのでメスよりは細菌性膀胱炎の発生は少ないですし、チンチンついてる場所的に、入るバイ菌もウンチじゃなくて皮膚(チンチンの皮・包皮)からのバイ菌が多そうですよね。
次【原因不明膀胱炎】これは特発性膀胱炎と言われたりストレス性膀胱炎と言われます。猫の膀胱炎の半分以上はこれ。
以前これだけを取り上げてるので、もし興味あれば読んでみてください↓
【結石関連の膀胱炎】さて結石は、できると膀胱の中をゴロゴロ転がり、ジャリジャリ傷つけます。それによって膀胱が傷ついて膀胱炎になったり、その石自体が詰まったら尿が出なくなってしまい やっかいです。
【結石の種類】は獣医領域で有名な5種類→覚えてほしい特徴
①ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)→名前ながっ。石なのに溶けるかもしれないやつ。
②シュウ酸カルシウム→カルシウムって骨じゃん。溶けないじゃん。
③尿酸アンモニウム→門脈体循環シャントという疾患の子、ダルメシアンで発生する特別石と思ってていい
④シスチン→発生率レア。レントゲンであんまり見えない。忍者かよ。
⑤シリカ→発生率激レア。鹿児島県の水道水はシリカ濃度が高くシリカ結石の発生報告が多いらしい。美容で流行しているシリカ飲料水によって尿中のシリカ濃度が高まったという直接的な報告はなかったが、注意は必要かもしれない。
【結石の対策】
①と②の結石で90%を占める。③④⑤はレアケース
①のストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)は膀胱の中にマグネシウムが多くある場合や、おしっこのpHが高いアルカリ性ってやつだと発生しやすい。
なのでマグネシウムの少ないご飯を選択する事(尿系の療法食)。おしっこのpHを低く酸性に保つ事(ご飯やクランベリーなどのサプリ)で発生しづらい、一度できたのを溶かせる可能性もあります。
またpHが高くアルカリになってしまう原因の一つに細菌感染があります。細菌が尿のpHをアルカリにして結石ができやすくなります。
ん?どっかで聞いたぞ。そうです。細菌性膀胱炎ですね。細菌性膀胱炎は尿道の短いメスで多いため、ストルバイト結石もメスで多いという訳です。なるほー
②シュウ酸カルシウム
シュウ酸は葉物野菜に多く含まれています。過剰な摂取は避けましょう。シュウ酸は水溶性のため、ゆでる事によって減らせます。ほうれん草は3分茹でると、約半分のシュウ酸が喪失するとの事です。
シュウ酸カルシウムは溶けないので、大きな石は手術で取るしかないですが、小さい砂なら尿道からおしっこと一緒に出るかもしれません。ですので飲水量を増やし、寝る前にオシッコに行く。よく飲みよく出す。膀胱から洗い流すイメージですね。これが最も重要だと思います。
どうでしょうか。ざっくりと解説してみました。
飲水量の確保。犬であれば寝る前にオシッコさせるなど膀胱内を綺麗にするイメージは予防には非常に大事ですね。
あ。ちなみに療法食の中には高ナトリウム。要は「しょっぱく」して飲水量を増やそうというコンセプトの療法食があるのですが、高齢の子は身体への負の影響もあるかもなので、ご注意を。では。