門脈体循環シャントの話

門脈体循環シャントって知っていますか?

発生率も低いのでそこまでメジャーな病気ではないと思います。

簡単にいうと『小型犬に多い血管の先天的な異常』で通常は血管を流れる老廃物は肝臓にまとめられ、肝臓内で無毒化されて全身へ巡っていきます。

この門脈体循環シャントという病気は老廃物を集めた血管が肝臓を経由せすに直接全身へ流れていきます。

それにより発作、痙攣が若くして起きてきます。

今回のお話は、そういった派手な発作や痙攣症状であればマイナー選手の門脈体循環シャントを疑い、検査へ進むのは容易だと思いますが、派手な症状を出さない門脈体循環シャントもあるということを情報共有したいのです。

発作や痙攣が起きるのは門脈体循環シャントの子の約半数。意外に少ない。

それ以外は膀胱炎症状やお腹が弱いねなどの消化器症状だけだったりするのです。

発作がない場合は、症状からすぐにこの病気を思い出すのは難しかったりするし、獣医師によっては知らないということもあります。

病院で日頃行う一般的な血液検査でも特に異常が検出されないことも多いです。

なので意外と見逃されているかもしれない。

いかにこの病気を疑うかにかかっていると言っても過言ではありません。

獣医師の人もこれを読んで知ってほしい!(ブログの影響力が無さすぎてムリかw)

ではどうしたら良いかというと

治療したら一時は良くなるんだけど、若くして繰り返す膀胱炎。「この子はお腹が弱いよね」と言われ続けているちょっとした吐き、下痢などは一度検査を受けてみても良いのかもしれません。

あくまでも症状が繰り返す場合にこの病気を疑うのでいいと思います。レアな病気なので基本は普通の膀胱炎や胃腸炎なんだと思います。

門脈体循環シャントを疑ったとしましょう。

【最初の検査は血液検査です】

お腹ぺこぺこの総胆汁酸を血液検査で測定

ご飯をあげて2時間後に再び総胆汁酸を測定

総胆汁酸とは毒素の成分で本当は肝臓で無毒化されるので、通常は食事前も後も毒素の成分は体には回ってきませんので血液検査では数値は変化せず10以下です。

しかし

思い出してください。この病気は毒素が体を巡るんでしたね。食後は老廃物が多くなるので毒素成分の数値が高くなります。

数値が低い場合は、よかった。このマイナー疾患は否定さてたと思ってよし。

数値が高い場合は検査してよかった。次のステップに進みましょう。

さて復習です。

全身に毒素が巡るこの病気。毒素を運ぶ血管が肝臓に行かずに全身に直接毒素が巡るんでしたね。となると次のステップは、、、

この全身に毒素ばらまいてる血管を見つけましょう!実はこの悪さする血管は一本だけのことが多いのです。ってことはこの悪い血管をシバいたら、あ。間違えました。しばったらオッケーってことですね。

血管の見つけ方は昔はお腹開けて探してました。

今は97%の確率でCT検査で発見できます。検査でお腹を開けなくてもいいのです。

ただし、どうぶつは動く台の上で「じっとしててね」は難しいので全身麻酔が必要になります。

CT検査の結果は3パターン

①何もなし。正常。毒素の数値はちょっと高めだったけど、血管のせいではないのか。

②異常血管あり!見つけた!手術の作戦を立てましょう。

③異常血管なし!肝臓が育ってない!これじゃ毒素がそもそも処理できなくてあふれちゃうわ(門脈低形成という)

③は異常な血管があるわけではないので、外科の範囲ではなく、毒素を薄める治療を生涯継続する必要があり、短命。(本当にレア病気)

②が今回共有したかった。血管をしばれば治せる門脈体循環シャントってやつ!

もちろん手術には術後の合併症もある程度存在します。そのため手術をするメリットデメリットは検査を受け、異常血管の位置や肝臓の状態など含め総合的に主治医と相談していく必要があります。

そんな病気もあるんだなと多くの人に知って欲しかった。そんな話。

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